
前回の話では、
股関節や骨盤まわりの不調は
「身体が硬いから」「年齢のせいだから」
といった理由だけで起きているわけではなく、
日常の身体の使い方や、動きの偏りが
少しずつ積み重なった結果として現れている、
というお話をしました。
では、
そうした動きの偏りは、
身体の中で実際にどのような変化として起きているのでしょうか。
今回は、
股関節と骨盤まわりの不調を、
筋肉と骨の働きという視点から、
少しだけ話を進めていこうかなと思います。
股関節は、
脚を動かすためだけの関節ではありません。
立つ、歩く、座る、方向を変えるといった日常動作の中で、
上半身の重さと、地面から返ってくる力を受け止めながら、
身体全体の動きをつないでいる関節です。
このつながりがスムーズな状態では、
股関節まわりの筋肉は
それぞれが必要なタイミングで自然に使われ、
骨盤の動きも大きく偏ることなく保たれています。
ですが、
長時間座り続ける生活や、
片脚に体重をかける立ち方、
同じ方向ばかりに身体をひねる動作が続いていくと、
股関節まわりの筋肉の使われ方に、
少しずつ偏りが生まれてきます。
例えば、
太ももの前側ばかりが頑張りすぎてしまったり、
内ももやお尻の筋肉が、
あまり使われなくなっていったり。
こうした状態が続くと、
股関節の動きは徐々に小さくなり、
骨盤の動きにも制限が出やすくなっていきます。
その結果、
左右で動きやすさに差を感じたり、
力がうまく分散されず、
特定の場所に負担が集まりやすくなったりします。
こうした変化は、
ある日突然起こるものではありません。
日常動作の中で、
「よく使われる筋肉」と
「あまり使われなくなっていく筋肉」が
少しずつ分かれていくことで、
気づかないうちに積み重なっていくものです。
そのため、
股関節が硬く感じたり、
骨盤まわりが詰まるように感じたりする状態は、
身体そのものが悪くなったというよりも、
動きが偏り、止まりやすくなっているサインとして
現れていることが多いのです。
白亜整体療術院では、
股関節や骨盤まわりを整える際、
その場でどれだけ動くか、
という部分だけを見ることはあまりありません。
立ち上がったときの感覚や、
歩き出しのスムーズさ、
身体をひねったときの無意識の動きなど、
整えたあとに
身体がどう動いているかを大切にしています。
筋肉と骨の位置関係が変わることで、
身体の使われ方は自然と変わっていきます。
その変化が日常動作の中で感じられるようになると、
股関節や骨盤まわりの不調は、
少しずつ出にくい状態へとつながっていきます。
股関節や骨盤の不調は、
単に「硬い」「歪んでいる」という話ではありません。
日常の中で、
どこがよく動き、
どこが動きにくくなっているのか。
そこに目を向けることで、
身体の見え方は、少しずつ変わってきます。
次回は、
この股関節まわりの動きが与える影響を、
また違った視点から見ていこうかなと思います。
白亜整体療術院院長 山田泰裕.







